子どもが生まれたら学資保険、という常識
我が家には3歳の息子と1歳の娘がいます。上の子が大学に入る頃、下の子は高校生。そこから数年は、教育費が二人ぶん重なります。
息子が生まれたとき、周りから何度も同じことを言われました。「学資保険は入った?」「早く始めないと損だよ」。親世代にとって、教育費は学資保険で手堅く貯めるものでした。疑う理由も、当時の私にはありませんでした。
ただ、実際に資料を並べてみると分からなくなりました。学資保険と、投資信託の積立。どちらが我が家に合っているのか、パンフレットを何度読んでも決め手が出てこない。それで、先に自分の家の家計を確認することにしました。当サイトの人生キャッシュフロー・シミュレーターに、貯金と収入と子どもの年齢を入れたのが始まりです。
人生キャッシュフロー・シミュレーターを使ってみる →グラフを見て気づいた、インフレの重さ
目が行ったのは、子どもたちが高校と大学に通う時期の青いグラフでした。手元の現金を示す線が、その数年でごっそり削られていく。
教育費が高いことは知っていました。私が見落としていたのは、その金額が15年後も今のままだという前提のほうです。モノの値段は上がり続けています。学費だけが据え置かれる理由はありません。
このシミュレーターは、より現実に近い試算をするため、初期設定で年2%の物価上昇と、それに連動する年2%の昇給を反映しています。給料も上がるかわりに、必要なお金も上がる。その条件で計算すると、二人が続けて進学する数年間の落ち込みは、想像していたよりずっと深いものでした。
その落ち込みが何歳のときに、いくら来るのか。あとから数字で確かめました。大学の初年度だけで252.9万円が一度に出ていき、我が家に近い条件では50歳で資産が底をつく。詳しくは大学の初年度に一度で出ていく金額を計算した記事に書きました。
学資保険か、オルカンか
学資保険は、受け取る金額が契約時に決まる商品です。15年後の物価がどうなっていても、もらえる額は変わりません。インフレが続けば、実質的な価値が目減りする可能性があります。
ここは誤解されやすいところですが、満期まで払い続ければ必ず払込総額を上回る、というわけでもありません。医療保障や育英年金といった特約が付いたタイプは、保障のぶんが差し引かれるので下回ることがあります。商品ごとに違うので、返戻率は必ず自分で確認してください。
もう一つ気になったのが、満期までの十数年間「お金が動かせなくなること」でした。学資保険は、途中で急な出費が重なり解約せざるを得なくなった場合、大きく元本割れしてしまうリスクがあります。未来の教育費のために、今の手元の現金をガチガチにロックしてしまって本当に大丈夫なのか。グラフの起伏を見ながら、そんな不安を抱いてしまいました。
ただ、動かせないことは弱点だけではありません。使ってはいけないお金を、使えない場所に置いておけるという意味でもあります。進学の年に確実に残っていることのほうが大事だ、という考え方はじゅうぶん成り立ちます。実際、必要な年に相場が下がっていたら、投資のほうは目減りしたまま使うことになる。どちらにも、避けられない弱点があります。
最終的に、我が家はオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を選びました。長期で資産形成(インフレ対策)を目指せること、そして何より、どうしても必要になればいつでも一部を売却して現金にできること。この二つが、あの深い落ち込みに対する備えとして納得できたからです。
もちろん、投資である以上、値動きによって教育資金そのものが目減りする可能性はあります。大学の入学金が必要な年に相場が下がっている、ということも起こり得ます。それを理解したうえでの選択でした。
計算してから判断する。それがすべてです
最初からオルカンに決めていたわけではありません。学資保険の資料も取り寄せました。現金でそのまま置いておくことも考えました。その上で、我が家の数字ではこうなった、というだけの話です。
このサイトは、オルカンを勧めるサイトではありません。計算してから判断するためのサイトです。私の答えはオルカンでしたが、あなたの答えは学資保険かもしれませんし、預金かもしれません。子どもの人数も、収入も、貯金の額も違うのですから、答えが違って当然です。
大切なのは、人の正解ではなく、自分の数字で判断すること。これから教育費の準備を始めるなら、まずご自身の未来の数字を見てください。数字を見た上で選んだ答えなら、後悔は少なくなるはずです。
なお、私はこの方法を選びましたが、実際に商品を選ぶ前には、必ずご自身でも内容や制度を確認し、納得したうえで判断してください。
まず自分の数字で計算してみる 入力は1分程度。15年後の教育費の落ち込みが、グラフで見えます


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